出会いのきっかけは、2年前の夏、東京で開かれた村上富郎さんの椅子展だった。
工房 齋 齋田さんと都内で待ち合わせて会場へ着くと、まだ開場前で
しばらく屋上を楽しんでから下りてくると、「住む。」で観て憧れていた
中村好文さんがちょうどみえて、「どうぞ」と声をかけてくださった。
所狭しと並べられた村上さんの椅子たちのそばで、中村さんと話す
機会に恵まれ話していたら、隣の齋田さんがこう言った。
「中村さんの芸術新潮の記事、工房に貼ってあります。」
この言葉が気になり、後から尋ねたら、その本を送って、貸してくださった。
それが、これ。
とても興味深い本で、何度も何度も繰り返し読ませてもらった。
スーパーレジェーラも、中村さんが幼稚園で拾われた椅子も、
壁に掛けられたシェーカーの椅子も、どれもこれも素敵だった。
中でも特に印象的だったのが、ル・コルビジェの小屋の「棚」、
そして一目惚れしてしまったのが「ゴッホの椅子」だった。