ちいさな頃からだいすきな、みつや。
おじいちゃんちへ行くたびおねだりしてた。
でもそれが叶ったのは横浜から従姉妹が来てたときくらい。
その従姉妹と走って行って、おじさんが大きな大きな
入れものから自慢気にアイスをすくってモナカに
詰めてくれるのを、見てるのがだいすきだった。
和菓子もお餅も大判焼も売っていて大きかった店構えが、
お家の建て替えとともに小さくなって、アイスをすくう
おじさんはすだれの向こうになっちゃって、がっかり。
もうあれから20年もたつんだって。
83歳のおじさんと、78歳のおばさん。
「もうおじさんじゃなくて、おじいさんだわ」って笑う。
「あんたみたいな子が懐かしんで来てくれるで、
おじさん病気してもやめれんの」とおばさん。
うん。やめないでね。
またゆっくりおしゃべりしようね。